極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 将生が日常の連絡に山内を使うのは珍しいが……。スマートフォンでメールを開くと、俺と二人だけで話したいと言っているという。

 鞠香のことかもしれないと思った。将生も鞠香に惹かれているという告白なのではないかと。プールで水着の鞠香を見つめる将生の表情を見た時から懸念していたことだ。

「だが、ランチは三人一緒に、か」

 その話し合いのあと、鞠香と一緒に三人で昼食を食べたいとの追伸があった。心にわだかまるものがあったら三人でランチをなどとは言い出さないだろうから、やはり鞠香は関係ないのか?

 将生の相談の内容に想像がつかないまま指定されたデッキのカフェに行くが、十分経っても二十分経っても将生が来ない。
 電話を入れても電源が入っていないとの自動音声の応答しかしないし、送ったメッセージも既読にならない。

 山内にも連絡をするがつながらず、同じフロアのカフェやダイニングを探してからもう一度山内に電話をした。
 今度はつながった。

『別件で打ち合わせをしておりまして、電話に出られず申し訳ございませんでした』
< 167 / 252 >

この作品をシェア

pagetop