極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「いや、それはいいんだが、将生がどこにいるか知らないか。待ち合わせ場所のカフェに来ないし、連絡も取れないんだ」
『少々お待ちください。……将生様からメッセージが来ていました。プールバーに行くことにした、とのことです』

 俺に何も連絡せずに場所を変更した? あいつは何をやっているんだ。

 将生の行動に違和感があるが、会ってから確かめればいいだろう。
 将生の気まぐれにあきれながら、俺はエレベーターに乗って最上階に向かったのだった。





 ――鞠香と連絡が通じない。
 電話もメッセージアプリもだめだ。

 脅迫状を渡されたプールバーで俺は鞠香に連絡をつけようとしていた。

「鞠香、電話に出てくれ……」

 プールバーにいるはずの将生はおらず、状況がはっきりしない。
 もしかしたらあいつのしかけたいたずらなのかとも思ったが、さすがに文面が悪質だ。こんなことはしないだろう。

 俺はバトラーのエリオットに電話した。
 エリオットはすぐに応答した。鞠香は約束の時間まで船内を散策しながらライブラリーに行くと言ったという。
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