極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
『海堂様、鞠香様がどうかされましたか?』
「いや、なんでもない。打ち合わせが終わったから早めに会えないかと思っただけだ。ありがとう」
『どういたしまして。何かございましたらなんなりとご連絡ください』
エリオットはややいぶかしそうだったが、今事情を明らかにするわけにはいかない。
俺はまず鞠香と待ち合わせたライブラリーカフェに向かった。
ライブラリーカフェは船内図書室とブックショップの間にあるこぢんまりとしたカフェだ。本に囲まれた空間で、ライブラリーから借りた本や購入した本を読みながらくつろぐことができる。
「いない……か」
カフェには珈琲の芳ばしい香りが漂っていた。
数人の客が静かに読書をしているが、鞠香の姿はない。
焦りが強くなった。まだ約束の時間までは少し間があるが……、これは本当に鞠香が何者かにさらわれたのかもしれない。
カフェからライブラリーのほうまで歩きまわっていると、フロアを巡回していた大柄なセキュリティガード――警備員に声をかけられた。
「どうしました? 何か困り事でも?」
「たいしたことじゃないんだ。待ち人が約束の時刻をすぎても現れないのでね」
「いや、なんでもない。打ち合わせが終わったから早めに会えないかと思っただけだ。ありがとう」
『どういたしまして。何かございましたらなんなりとご連絡ください』
エリオットはややいぶかしそうだったが、今事情を明らかにするわけにはいかない。
俺はまず鞠香と待ち合わせたライブラリーカフェに向かった。
ライブラリーカフェは船内図書室とブックショップの間にあるこぢんまりとしたカフェだ。本に囲まれた空間で、ライブラリーから借りた本や購入した本を読みながらくつろぐことができる。
「いない……か」
カフェには珈琲の芳ばしい香りが漂っていた。
数人の客が静かに読書をしているが、鞠香の姿はない。
焦りが強くなった。まだ約束の時間までは少し間があるが……、これは本当に鞠香が何者かにさらわれたのかもしれない。
カフェからライブラリーのほうまで歩きまわっていると、フロアを巡回していた大柄なセキュリティガード――警備員に声をかけられた。
「どうしました? 何か困り事でも?」
「たいしたことじゃないんだ。待ち人が約束の時刻をすぎても現れないのでね」