極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
3.メーデー、メーデー、メーデー!
「ん……んん!」
顔を激しく横に振る。必死に口内で舌を動かしていると、口もとを覆った粘着テープが少しずれた。
「んーっ、んーっ!」
その隙間から唇を突き出して、さらに粘着テープを押しあげる。
やった、これで声が出せる!
「お願い、ちょっと待って! わたしに彼と話をさせて。そうしたらあなたが手にする金額の倍、いえ三倍お支払いします!」
「ほう?」
はがれきらない粘着テープに邪魔されながら、精いっぱいの早口で叫ぶ。
すると、わたしの顔の両側に手をついて覆いかぶさっていたオリバーさんが止まった。
借金に困っているくらいだから、お金の話なら少しは聞いてくれるんじゃないかと思ったのだけど、正解だったらしい。とりあえず動きを止めることができた。
彼の借金がいくらか知らないし、翔一郎さんに出してもらえる金額なのかもわからないけれど……。
「それは魅力的な提案だ」
オリバーさんがニヤニヤと笑いながら言った。
ごつごつした指でわたしの頬をなでると、上唇に貼りついた粘着テープを一気にはがす。
「……っ」
怖い。がくがくと震えてしまうほど恐ろしい。
顔を激しく横に振る。必死に口内で舌を動かしていると、口もとを覆った粘着テープが少しずれた。
「んーっ、んーっ!」
その隙間から唇を突き出して、さらに粘着テープを押しあげる。
やった、これで声が出せる!
「お願い、ちょっと待って! わたしに彼と話をさせて。そうしたらあなたが手にする金額の倍、いえ三倍お支払いします!」
「ほう?」
はがれきらない粘着テープに邪魔されながら、精いっぱいの早口で叫ぶ。
すると、わたしの顔の両側に手をついて覆いかぶさっていたオリバーさんが止まった。
借金に困っているくらいだから、お金の話なら少しは聞いてくれるんじゃないかと思ったのだけど、正解だったらしい。とりあえず動きを止めることができた。
彼の借金がいくらか知らないし、翔一郎さんに出してもらえる金額なのかもわからないけれど……。
「それは魅力的な提案だ」
オリバーさんがニヤニヤと笑いながら言った。
ごつごつした指でわたしの頬をなでると、上唇に貼りついた粘着テープを一気にはがす。
「……っ」
怖い。がくがくと震えてしまうほど恐ろしい。