極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「しかし、正統な後継者は将生様です」
「期待してくれたみんなには悪いんだけど、僕には僕の夢がある。冗談じゃなく、本気だ」
それでも信じきれないように何か言葉を継ごうとした山内さんに、翔一郎さんが厳しい声で言う。
「おまえが何もしなくても、私は将生が望むなら副社長の地位も後継者の立場も譲るつもりだった。だが、将生はそれを望んでいない。しかも今回のことでおまえたちの派閥は終わる」
「そんな……」
「日本の警察にも通報した。これから社内の協力者の調査も始まる。将生の派閥と言われている者たちの中から逮捕者が出るだろう」
「将生様は何もご存知ないことです」
山内さんが焦ったように言いつのる。
そんな山内さんを見て、将生さんが大きくため息をついた。
「それでも僕には責任がある。これを機に正式に発表するよ。僕は大学を卒業しても海堂ホールディングスには入社しない」
「将生様!」
身を乗り出した山内さんをセキュリティガードが止める。ガチャンと手錠が揺れる音がした。
「もういい。山内の考えはわかった。あとは司法に任せよう。――キャプテン、よろしくお願いします」
「期待してくれたみんなには悪いんだけど、僕には僕の夢がある。冗談じゃなく、本気だ」
それでも信じきれないように何か言葉を継ごうとした山内さんに、翔一郎さんが厳しい声で言う。
「おまえが何もしなくても、私は将生が望むなら副社長の地位も後継者の立場も譲るつもりだった。だが、将生はそれを望んでいない。しかも今回のことでおまえたちの派閥は終わる」
「そんな……」
「日本の警察にも通報した。これから社内の協力者の調査も始まる。将生の派閥と言われている者たちの中から逮捕者が出るだろう」
「将生様は何もご存知ないことです」
山内さんが焦ったように言いつのる。
そんな山内さんを見て、将生さんが大きくため息をついた。
「それでも僕には責任がある。これを機に正式に発表するよ。僕は大学を卒業しても海堂ホールディングスには入社しない」
「将生様!」
身を乗り出した山内さんをセキュリティガードが止める。ガチャンと手錠が揺れる音がした。
「もういい。山内の考えはわかった。あとは司法に任せよう。――キャプテン、よろしくお願いします」