極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「わかりました。では、彼を連れていけ」
船長さんの指示を受け、セキュリティガードが山内さんを連れて出ていった。
山内さんは傍目にもわかるほど肩を落としている。足をもつれさせながら彼はドアの向こうに消えた。
「この事件が公になったら株価にも影響するかもしれない。そんな時に会社の立て直しに協力できなくてごめん」
将生さんが翔一郎さんに向かって改めて深々と頭を下げた。
「気にするな。そのくらいすぐに取り戻せる」
「……でも」
山内さんがいなくなったあと船長やクルーも去り、応接室にはわたしと翔一郎さんと将生さんが残された。少し話したいからということで、三人だけにしてもらったのだ。
うなだれる将生さんに、翔一郎さんがにやりと不敵に笑ってみせた。
「海運王の名は伊達じゃないさ。将生は将生の行きたい道を進めばいい。それが一番、私もうれしいんだ」
「兄さん」
将生さんの目がちょっと潤んでる?
ほんの少しだけ、わたしよりも小さかったサキちゃんの面影が重なった。わたしはなつかしさについ笑みをこぼしてしまった。
「……鞠香さん。今、子供のころのこと、思い出してたでしょ?」
船長さんの指示を受け、セキュリティガードが山内さんを連れて出ていった。
山内さんは傍目にもわかるほど肩を落としている。足をもつれさせながら彼はドアの向こうに消えた。
「この事件が公になったら株価にも影響するかもしれない。そんな時に会社の立て直しに協力できなくてごめん」
将生さんが翔一郎さんに向かって改めて深々と頭を下げた。
「気にするな。そのくらいすぐに取り戻せる」
「……でも」
山内さんがいなくなったあと船長やクルーも去り、応接室にはわたしと翔一郎さんと将生さんが残された。少し話したいからということで、三人だけにしてもらったのだ。
うなだれる将生さんに、翔一郎さんがにやりと不敵に笑ってみせた。
「海運王の名は伊達じゃないさ。将生は将生の行きたい道を進めばいい。それが一番、私もうれしいんだ」
「兄さん」
将生さんの目がちょっと潤んでる?
ほんの少しだけ、わたしよりも小さかったサキちゃんの面影が重なった。わたしはなつかしさについ笑みをこぼしてしまった。
「……鞠香さん。今、子供のころのこと、思い出してたでしょ?」