極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
最初の夜、ウェルカムパーティーでわたしをフェイクの婚約者に仕立てあげなかったら、山内さんはわたしみたいな偽物が翔一郎さんのウィークポイントだなんて誤解しなかっただろう。
「でも、わたし、楽しかった。最初は驚いたし、どうしようかと思ったけど。旅の解放感もあったのかしら。だんだん非日常的な毎日にわくわくしてきて」
「きみは昔から大人しい見かけのわりに無鉄砲だったからな。そんな意外なところもかわいらしかったが」
昔を思い出すように少し遠くを見るヘーゼル色の瞳。
その綺麗な目がわたしを真摯に見つめた。
「それでも急ぎすぎた。きみとついに再会できて……、私はこんなに焦がれているのに、きみが何も覚えていないのが悔しくて」
「翔一郎さんはいつわたしがあの時のマリカだって気がついたの?」
「……その話は長くなる」
あれ? 翔一郎さんがまた微妙に目をそらした。
しかも、話が長くなるってなんだろう。子供のころ一緒に休日を過ごした豪華客船で、大人になってから偶然再会した――それだけでも相当ドラマチックな出来事だと思うのだけど、ほかにも何かあるのかしら。
「でも、わたし、楽しかった。最初は驚いたし、どうしようかと思ったけど。旅の解放感もあったのかしら。だんだん非日常的な毎日にわくわくしてきて」
「きみは昔から大人しい見かけのわりに無鉄砲だったからな。そんな意外なところもかわいらしかったが」
昔を思い出すように少し遠くを見るヘーゼル色の瞳。
その綺麗な目がわたしを真摯に見つめた。
「それでも急ぎすぎた。きみとついに再会できて……、私はこんなに焦がれているのに、きみが何も覚えていないのが悔しくて」
「翔一郎さんはいつわたしがあの時のマリカだって気がついたの?」
「……その話は長くなる」
あれ? 翔一郎さんがまた微妙に目をそらした。
しかも、話が長くなるってなんだろう。子供のころ一緒に休日を過ごした豪華客船で、大人になってから偶然再会した――それだけでも相当ドラマチックな出来事だと思うのだけど、ほかにも何かあるのかしら。