極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
翔一郎さんはあの時、何かを期待するように一心にわたしを見ていた。
今ならわかる。
わたしが『初対面』だと思っていたあの場で、翔一郎さんはもう、わたしが昔夏休みをともに過ごした少女マリカだとわかっていたんだ。
「Hello, my name is Marika」
そして、それは本当の『初対面』の時のあいさつ。
幼い日、セレブリティクイーンの甲板で出会った少年と少女。わたしたちが初めてかわした言葉。
「ショウおにいちゃま」
翔一郎さん――ショウおにいちゃまは冷たく見えるほどの美少年で、でも仲良くなると面倒見がよくて優しくて、なんでもできる憧れのお兄さんだった。
「初めて会った時の言葉だったんですね。思い出せなくてごめんなさい」
「あー、『おにいちゃま』は今はやめてくれないか。なんだか背徳的な気分になる」
「はいとく!? わ、わかりました」
「いや、それも趣があるかもしれないが」
「翔一郎さん! 翔一郎さんで決定です!」
ふざけているんだとはわかるけど、万が一わたしがついていけないオトナの世界の話になってしまったらまずい!
今ならわかる。
わたしが『初対面』だと思っていたあの場で、翔一郎さんはもう、わたしが昔夏休みをともに過ごした少女マリカだとわかっていたんだ。
「Hello, my name is Marika」
そして、それは本当の『初対面』の時のあいさつ。
幼い日、セレブリティクイーンの甲板で出会った少年と少女。わたしたちが初めてかわした言葉。
「ショウおにいちゃま」
翔一郎さん――ショウおにいちゃまは冷たく見えるほどの美少年で、でも仲良くなると面倒見がよくて優しくて、なんでもできる憧れのお兄さんだった。
「初めて会った時の言葉だったんですね。思い出せなくてごめんなさい」
「あー、『おにいちゃま』は今はやめてくれないか。なんだか背徳的な気分になる」
「はいとく!? わ、わかりました」
「いや、それも趣があるかもしれないが」
「翔一郎さん! 翔一郎さんで決定です!」
ふざけているんだとはわかるけど、万が一わたしがついていけないオトナの世界の話になってしまったらまずい!