極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「翔一郎さん、もしかしてロリ――」
「違う」
翔一郎さんが今までで一番というくらい大きな声で否定した。
「そうですよね。よかった」
「それまで私の周囲には鞠香のような少女はいなかった。損得抜きで私を慕ってくれて、天真爛漫でかわいくて。好奇心旺盛で何をするのかわからないところも新鮮だった」
「子供なんて、みんなそんなものではないですか?」
声を立てずに苦笑した翔一郎さんは、視線を上げて目の前に広がる大西洋を見やる。
「私を取り巻く人々は違ったんだよ。だから、そんな純粋なきみを絶対に手放したくないと思った。花野宮貿易が倒産してからずっと探していた。もう一度、きみの笑顔が見たかったんだ」
「そうだったんですね……」
海運王という異名までつけられた海運業の雄、海堂家。代々続く名家だからこそ、幼いころから人間関係にいろんな思惑が絡むのかもしれない。
少年時代の彼の境遇に思いを馳せて沈んだ気分になったわたしの顔をのぞきこんで、翔一郎さんはいたずらっぽく笑った。
「本当のことを言ったらストーカーみたいで引かれるかと思った。なかなか話せなくて、すまなかった」
「違う」
翔一郎さんが今までで一番というくらい大きな声で否定した。
「そうですよね。よかった」
「それまで私の周囲には鞠香のような少女はいなかった。損得抜きで私を慕ってくれて、天真爛漫でかわいくて。好奇心旺盛で何をするのかわからないところも新鮮だった」
「子供なんて、みんなそんなものではないですか?」
声を立てずに苦笑した翔一郎さんは、視線を上げて目の前に広がる大西洋を見やる。
「私を取り巻く人々は違ったんだよ。だから、そんな純粋なきみを絶対に手放したくないと思った。花野宮貿易が倒産してからずっと探していた。もう一度、きみの笑顔が見たかったんだ」
「そうだったんですね……」
海運王という異名までつけられた海運業の雄、海堂家。代々続く名家だからこそ、幼いころから人間関係にいろんな思惑が絡むのかもしれない。
少年時代の彼の境遇に思いを馳せて沈んだ気分になったわたしの顔をのぞきこんで、翔一郎さんはいたずらっぽく笑った。
「本当のことを言ったらストーカーみたいで引かれるかと思った。なかなか話せなくて、すまなかった」