極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「ごめんなさい、お話があるんでしたよね。セレブリティクイーン号のことを考えていると、つい夢中になってしまって」
「きみはそんなにクルーズが好きなのか?」
海堂さんは表情の読めない顔で、首をかしげた。
「わたし、旅行代理店で働いているんです」
「ああ」
「それで、いつかクルーズ旅行を扱えるようになるのが夢で。この体験が直接仕事につながるわけではないけれど、ゲストとしての目線でクルーズを知っておきたい。だから、いろいろ気になっちゃって……すみません」
過酷な就職活動を経て、やっと入社した旅行代理店。自分の夢を語っていると、つい力が入ってしまう。
「そうか。クルーズは――初めて?」
海堂さんが幾分ためらうように聞いた。
なんだろう。ほんの一瞬だけど、その一拍の間が少し気になった。
「いえ……。実は子供のころ、一度家族で大きな船に乗ったことがあって……。細かいことは覚えていないんですけど」
「…………」
「楽しかった記憶はあるので、その時の経験が原点かもしれないですね」
父も母もそろっていて、あふれる笑顔を当たり前の日常だと思っていた幸せな時間。
「きみはそんなにクルーズが好きなのか?」
海堂さんは表情の読めない顔で、首をかしげた。
「わたし、旅行代理店で働いているんです」
「ああ」
「それで、いつかクルーズ旅行を扱えるようになるのが夢で。この体験が直接仕事につながるわけではないけれど、ゲストとしての目線でクルーズを知っておきたい。だから、いろいろ気になっちゃって……すみません」
過酷な就職活動を経て、やっと入社した旅行代理店。自分の夢を語っていると、つい力が入ってしまう。
「そうか。クルーズは――初めて?」
海堂さんが幾分ためらうように聞いた。
なんだろう。ほんの一瞬だけど、その一拍の間が少し気になった。
「いえ……。実は子供のころ、一度家族で大きな船に乗ったことがあって……。細かいことは覚えていないんですけど」
「…………」
「楽しかった記憶はあるので、その時の経験が原点かもしれないですね」
父も母もそろっていて、あふれる笑顔を当たり前の日常だと思っていた幸せな時間。