極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
ふざけているように見えるけれど、その表情の奥にうしろめたいような、少しだけ自信なさげな素顔が垣間見える。
いつも自信に満ちている男が内側に秘めている弱さに胸が絞めつけられるような愛しさを感じた。
「翔一郎さん……」
「再会した鞠香は魅力的な女性になっていた。幼いころに庇護の手を失って大変だっただろうに、何も変わらず純粋で明るくて……。さらに自分の夢を追いながら、しっかりと前を向いている」
翔一郎さんの手がわたしの髪にふれた。
「私は二度目の恋に落ちた」
風に乱れた長い髪に指先を絡める。
ただ髪をすいているだけなのに、まるで素肌に直接さわられているみたいにかすかなしびれが背筋に走った。
「鞠香」
空が青くて。船のうしろをついてくる波が真っ白で。
聞こえるのは、北大西洋の波の音。そして、海を進む大型客船のエンジン音。
「愛している」
その瞬間、翔一郎さん以外何も見えなくなった。
彼の低くかすれた声だけが、胸の一番奥の柔らかいところにしみるように響いた。
いつも自信に満ちている男が内側に秘めている弱さに胸が絞めつけられるような愛しさを感じた。
「翔一郎さん……」
「再会した鞠香は魅力的な女性になっていた。幼いころに庇護の手を失って大変だっただろうに、何も変わらず純粋で明るくて……。さらに自分の夢を追いながら、しっかりと前を向いている」
翔一郎さんの手がわたしの髪にふれた。
「私は二度目の恋に落ちた」
風に乱れた長い髪に指先を絡める。
ただ髪をすいているだけなのに、まるで素肌に直接さわられているみたいにかすかなしびれが背筋に走った。
「鞠香」
空が青くて。船のうしろをついてくる波が真っ白で。
聞こえるのは、北大西洋の波の音。そして、海を進む大型客船のエンジン音。
「愛している」
その瞬間、翔一郎さん以外何も見えなくなった。
彼の低くかすれた声だけが、胸の一番奥の柔らかいところにしみるように響いた。