極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
夢の中にいるみたいにふわふわする。
子供のころ、ひと夏を一緒に過ごした年上の幼なじみ。
ピアノの上手なおにいちゃまが何もかもを兼ね備えた極上の男性になって現れて。
「……わたし……」
思わず言葉を失ってしまったわたしを翔一郎さんが少し不安そうに見た。
「鞠香はまだそこまで想ってくれていないのか?」
「いえ……、違うんです。わたし……わたし」
「ゆっくりでいい。きみの気持ちを聞かせてほしい」
「……はい」
わたしは意識して大きく息を吸って吐いた。
少しだけ落ち着いた気がする。
「あの人に襲われかけて……」
オリバーさんの名前は出さないほうがいいかもと思って濁したのだけど、やっぱり翔一郎さんの視線が険しくなる。
「やっと気がついたんです。こんなこと、好きじゃなきゃできない。翔一郎さんが頭に浮かんで……あなたじゃないとだめだって」
昔は単なる憧れだった。優しくてかっこいいおにいちゃま。
でも、それから今まで翔一郎さん以上に素敵だって思える男の人はいなかった。
もしかしたらあれが幼い初恋だったのかもしれない。
子供のころ、ひと夏を一緒に過ごした年上の幼なじみ。
ピアノの上手なおにいちゃまが何もかもを兼ね備えた極上の男性になって現れて。
「……わたし……」
思わず言葉を失ってしまったわたしを翔一郎さんが少し不安そうに見た。
「鞠香はまだそこまで想ってくれていないのか?」
「いえ……、違うんです。わたし……わたし」
「ゆっくりでいい。きみの気持ちを聞かせてほしい」
「……はい」
わたしは意識して大きく息を吸って吐いた。
少しだけ落ち着いた気がする。
「あの人に襲われかけて……」
オリバーさんの名前は出さないほうがいいかもと思って濁したのだけど、やっぱり翔一郎さんの視線が険しくなる。
「やっと気がついたんです。こんなこと、好きじゃなきゃできない。翔一郎さんが頭に浮かんで……あなたじゃないとだめだって」
昔は単なる憧れだった。優しくてかっこいいおにいちゃま。
でも、それから今まで翔一郎さん以上に素敵だって思える男の人はいなかった。
もしかしたらあれが幼い初恋だったのかもしれない。