極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
険しい顔のままの翔一郎さんはわたしを見て、さらに不機嫌な顔になった。
「当たり前だ」
「だって、わたしなんかに――」
「鞠香、『なんか』なんて今後二度と言うな。私にとって、きみは心も体も世界一美しい。きみ自身といえどもきみを侮辱するのは許さない」
わたしははっとして、うなじを押さえた。
そうよね、わたしだって翔一郎さんを中傷されたらいやだ。誰よりも大切な人だもの。
「はい。ごめんなさい」
「いや、強く言ってすまない」
翔一郎さんの長い腕に抱きこまれる。
深く息を吸いこんだかと思ったら、翔一郎さんが耳もとで小さくつぶやいた。
「将生の言ったとおりだ」
「将生さん?」
「……きみが私の初恋だった。もちろん欲の絡むような恋じゃない。ただきみが好きで、きみと一緒にいたかった」
初恋という言葉の響きの甘酸っぱさが、いつも余裕な翔一郎さんとそぐわない気がする。
どんな表情でその言葉を口にしているのか確認したかったけれど、彼は伏せたままの顔を上げてくれなかった。
「ずっと探していた。十七年間、ずっと」
ため息のような、ひどくかすれたささやき。
「当たり前だ」
「だって、わたしなんかに――」
「鞠香、『なんか』なんて今後二度と言うな。私にとって、きみは心も体も世界一美しい。きみ自身といえどもきみを侮辱するのは許さない」
わたしははっとして、うなじを押さえた。
そうよね、わたしだって翔一郎さんを中傷されたらいやだ。誰よりも大切な人だもの。
「はい。ごめんなさい」
「いや、強く言ってすまない」
翔一郎さんの長い腕に抱きこまれる。
深く息を吸いこんだかと思ったら、翔一郎さんが耳もとで小さくつぶやいた。
「将生の言ったとおりだ」
「将生さん?」
「……きみが私の初恋だった。もちろん欲の絡むような恋じゃない。ただきみが好きで、きみと一緒にいたかった」
初恋という言葉の響きの甘酸っぱさが、いつも余裕な翔一郎さんとそぐわない気がする。
どんな表情でその言葉を口にしているのか確認したかったけれど、彼は伏せたままの顔を上げてくれなかった。
「ずっと探していた。十七年間、ずっと」
ため息のような、ひどくかすれたささやき。