極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 耳が熱い。胸が破裂してしまいそうなほどのときめきにくらくらする。

「きみが欲しくてたまらない」

 これまで聞いたことのないような、余裕のない声。

「ベッドルームに行こう。……いいか?」

 匂い、体温、肌の手ざわり。わたしが彼の――彼がわたしの一番そばにいるという実感。ハンギングチェアで抱きしめあっていても、届かないそれが欲しくて。二人の間にあるわずかな隙間がもどかしくて。
 わたしは彼の胸の中で、こくりとうなずいた。





 メゾネットになったグランドスイートの上階。
 美しい装飾のほどこされた螺旋階段をのぼった先にマスターベッドルームがある。

 リビングを見下ろせる吹き抜けの窓は厚いカーテンに閉ざされていた。
 わずかに開いたところから、遅い午後の日差しが差しこんでいる。その細い光がキングサイズのベッドの足もとを照らす。

「鞠香、本当に綺麗だ」 

 どうしたらいいのかわからなくて戸惑うわたしを翔一郎さんがリードしてくれた。
 ブラウスのボタンをはずされスカートをおろされて、下着も取り去って。
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