極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 リサさんがわたしに向けていたずらっ子みたいにウインクした。

「強引な花婿様は少し焦らしておきましょう。きっと明日は感激もひとしおでしょう」

 ……明日。
 わたしたちは結婚式をする。

 法律的に婚姻関係を結ぶリーガルな結婚式ではない。
 いわゆるブレッシングウェディング。結婚の誓いを立てたことを祝福するセレモニーだ。
 船上にはさまざまな宗教を信仰している人がいるので、チャペルはクリスチャンじゃなくても利用できる。その場合はセレブリティクイーンの船長が式を取り仕切ってくれる。

 先日船内を翔一郎さんと見学している時に、いつかセレブリティクイーンで結婚式ができたらいいなと思っていたので、とてもうれしい。
 まさかこんなに早く夢が叶うとは思っていなかったけど……。

「お式の準備のエステでへとへとになるなんて思わなかったなあ」

 ドレスのフィッティングのあと、上級キャビン専用のスパで念入りなトリートメント。肌の調子を整えてもらってから、美容院で髪のお手入れ。
 もろもろの予定をこなしてから、わたしたちはティールームでアフタヌーンティーをしていた。
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