極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~

3.フェアウェルパーティーの女神 - side ショウ -

 俺の女神は美しすぎる。

 結婚式の時もまるで汚してはいけない純粋無垢な聖女のようで、柄にもなくエスコートする手が震えた。
 俺の選んだウェディングドレスを着て、俺に愛を誓う何よりも愛しい女。
 この幸運がまだ信じられない。もう絶対に逃がさないと、俺はひそかに祭壇の上で神に誓った。

「ウェディングドレスも試着しておいて正解だったな」

 グランドスイートのリビングで俺は独り言ちた。
 この航海の間に鞠香を口説き落とそうと決めていた。少しでも鞠香が結婚を意識するようにウェディングドレスの試着も勧めたのだが、さすがに結婚式までできるとは思わなかった。

 結婚式を終えしばらく休んだら、次はフェアウェルパーティーのための着つけだ。
 明日セレブリティクイーンはニューヨークに到着する。フェアウェルパーティーはその最後の夜に催されるイベントなのだ。

 俺は鞠香の体力がもつか心配だったのだが、彼女は意外と元気に過ごしていた。昨夜、何もせずに寝たのが正解だったのかもしれない。思いが通じあった直後、同じベッドで休んでいるのに何もできないのはまるで拷問だったが……。
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