極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 ここはホテルのバスルーム。
 おしゃれな猫足のバスタブは、もこもこの泡でいっぱいだ。備えつけのバブルバスは気持ちが落ち着くラベンダーの香りがした。

 でも。
 この状況はちっとも落ち着かない!

「手を動かしたら怒りますからね」
「了解」

 バスタブにつかるわたしのうしろには、翔一郎さんがいる。背後から手を回してわたしの胸を持ちあげ、たぷたぷさせているのだ。
 もちろん二人とも裸だ。
 恥ずかしいから一人で入ると主張したのだけれど、強引に押しきられてしまった。

「柔らかくて気持ちいいな」
「翔一郎さんは硬いですね」
「…………」
「こうして寄りかかっても、絶対に倒れない安心感があります」

 背中に翔一郎さんの筋肉があたる。
 彼の胸は包みこまれるように広くてたくましかった。

「……そうか」

 なぜか大きなため息。

「わたし何か変なこと言いました?」
「いや、いくらでも寄りかかってくれ。鞠香を支えるのは俺の喜びだ」
「ふふ、うれしいです」

 体の力を抜いて翔一郎さんにもたれる。
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