極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 もちろん、少しだけではすまなかったのは言うまでもない……。

 のぼせそうになって慌ててバスルームから出ると、窓の外は暗くなっていた。

「わあ、すごいですね!」

 バスローブのひもを縛りながら窓に駆け寄る。
 これがニューヨークの夜景!

 見上げる夜空が星も見えないほど明るいのは、東京と同じ。
 ただニューヨークは歴史のある超高層ビルが密集している。特徴的なシルエットのクライスラー・ビルディングやエンパイア・ステート・ビルディング、そのほかにも有名なビルが勢ぞろいしている。その迫力に、わたしはうっとりとため息をついた。
 人の手の入っていない大自然も素晴らしいけれど、わたしは人口造形物の美しさも好き。

「ニューヨークが好きか?」
「そうですね。子供のころに来た時のことはほとんど覚えていないから、改めて探検してみたいですね」
「探検か」

 翔一郎さんがふっと笑って、わたしの肩を抱いた。
 夕方ホテルにチェックインした時はとても気がせいていたようだけど、今は落ち着いているみたい。
 彼の広い肩にそっと頭を寄せる。
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