極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
今はわたしも翔一郎さんもかしこまっていない普通の服を着ている。わたしはカシュクールにひざ丈のスカート、翔一郎さんはシャツとトラウザーズ。
ほかに人はおらず、わたしたちはグランドスイートに二人きり。あ、バトラーのエリオットさんは部屋の隅に控えているけれど。
着替えがパジャマじゃなくてよかったわ……。
「どうぞ」
足音も立てずに近づいてきたエリオットさんが、ソファーに向かいあって座るわたしたちの前にグラスを置いて、また隅に下がった。
ミルク多めのココアのような色をしたショートカクテルだ。甘い香りがする。ナイトキャップ代わりなのかもしれない。
その香りをかいで少し口に含んだ翔一郎さんが、長い足を組んでわたしを見据えた。
「鞠香、クルーズ中はここに泊まるように」
「え? は?」
突然また妙なことを言い出した!
わたしがここに泊まって翔一郎さんは別の部屋に移る……ってことじゃないわよね?
「きみが泊まっているのは窓のないシングルルームだろう。それも秘密基地のようでいいかもしれないが、グランドスイートに泊まってみたくはないか?」
秘密基地?
ほかに人はおらず、わたしたちはグランドスイートに二人きり。あ、バトラーのエリオットさんは部屋の隅に控えているけれど。
着替えがパジャマじゃなくてよかったわ……。
「どうぞ」
足音も立てずに近づいてきたエリオットさんが、ソファーに向かいあって座るわたしたちの前にグラスを置いて、また隅に下がった。
ミルク多めのココアのような色をしたショートカクテルだ。甘い香りがする。ナイトキャップ代わりなのかもしれない。
その香りをかいで少し口に含んだ翔一郎さんが、長い足を組んでわたしを見据えた。
「鞠香、クルーズ中はここに泊まるように」
「え? は?」
突然また妙なことを言い出した!
わたしがここに泊まって翔一郎さんは別の部屋に移る……ってことじゃないわよね?
「きみが泊まっているのは窓のないシングルルームだろう。それも秘密基地のようでいいかもしれないが、グランドスイートに泊まってみたくはないか?」
秘密基地?