極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 翔一郎さんはカクテルグラスをテーブルに置いた。少し手が震えてる?
 そして甘いまなざしのまま、急に抱きしめられる。

「えっ、あの、翔一郎さん!?」
「鞠香、かわいい」
「急に何を!?」

 ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる力が強い。
 さわやかな香りと体の熱。なんだかのぼせてきそう。

「そうか、ファーストキスだったのか……」
「翔一郎さん、苦しい」
「すまない」

 そう言いながらも腕の力はゆるまない。
 甘い声が耳もとでささやいた。

「誰も相手がいないのなら、遠慮なく行ってもいいんだな」
「冗談はやめてください」

 首すじに唇がふれる。

「あっ」

 唇が耳もとに移動してきて、そっと耳たぶを甘噛みする。

「本気か冗談か試してみるか?」

 耳のそばで笑われるとくすぐったい。翔一郎さんの吐息が耳にかかって、胸が破裂しそうにドキドキした。

「んっ」

 翔一朗さんがそっとわたしの胸に手を置く。服の上からだけど、男の人にそんなところをさわられたのは初めてで。

「あ、やんっ」

 自分のものとは思えない高い声。

「あっ」
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