極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「だめ! だめです!!」
「これも一つの貴重な経験になるんじゃないか?」
「んもう!」

 わたしは腕を思いきり突っ張って、翔一郎さんと距離を取る。彼は意外とあっさりと離れていった。

 たぶん今は逃がしてもらったんだ、わたし。翔一郎さんの腕の中から。
 流されているだけで覚悟なんか決まっていないことは、彼には一目瞭然だったのだろう。

 危険な人。
 紳士だけれど、獲物のほうから罠に落ちたくなってしまうくらい魅力的な人。

 だめ押ししておかなければ。
 自分に言い聞かせるためにも。

「初夜は契約に含まれません!」





 結局わたしはグランドスイートに泊まった。
 ただし、彼とは別の部屋だったことは明記しておく!
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