極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「あ、ジムやエステも試してみたいかも。ウインドーショッピングもしたいな」

 セレブリティクイーンの中にはさまざまな施設がある。
 その中には一流ブランドのショップが集まる免税店街もあった。ふだんブランドには縁がないけれど、美しいものを見るのは好きだ。

「ウインドーショッピングじゃなくて、気に入ったものがあったら購入すればいい。愛しい婚約者にプレゼントするよ」
「いえいえ、そんな。翔一郎さん、危ないですよ。もしわたしがあなたの財産目当ての悪女だったらどうするんです?」

 楽しそうにわたしを見る翔一郎さんにしかめ面で注意する。
 翔一郎さんは無防備すぎる。いくらわたしが野暮ったくても、そういう見かけを利用して男性をだます人もいるだろうに。

「はは、悪女か。愛らしい悪女だな」

 けれど、翔一郎さんは歯牙にもかけていないようだ。
 まあ、わたしごときに太刀打ちできる相手じゃないか……。

「クルーズはあと七日間ありますね。すごく楽しみになってきました!」

 我ながら単純かもしれない。
 翔一郎さんの婚約者役のことも、大変そうだけどなんとかなりそうに思えてきた。
< 60 / 252 >

この作品をシェア

pagetop