極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました～一途な海運王の華麗なる結婚宣言～

「そういえば、昨日のドレスの染み抜きが終わったと連絡があった」
「ドレス？　ああ、赤ワインで汚れてしまったワンピース……」

　ウェルカムパーティーで着ていたワンピースのことだ。

　翔一郎さんが手を挙げて合図をすると、黒いスーツ姿のエリオットさんがトレイを持って現れた。
　トレイの上にはレモンイエローのワンピース。

「すごい」

　ワンピースは赤ワインの染みがあったなんてわからないくらい綺麗になっていた。あんなにぐっしょりと濡れていたのに……。

　ふと、昨夜わたしのイブニングドレスのコーディネートやメイクをしてくれたリサさんを思い出した。

『できるだけ元どおりになるように力を尽くしますので、我々にお任せいただけませんでしょうか』

　控えめだけど、力強い言葉。

「やっぱりセレブリティクイーンは一流の船ですね」

　一流の力って、その技術力だけではなくて、ベストを尽くそうとするプライドなのかもしれないと思った。

「ありがとうございます。スタッフの皆さんにもお礼をお伝えください」