極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「婚約者が待っていますので、失礼いたします」
「あ、お待ちください……!」

 そのまま振り返らずにわたしのもとへ戻ってきてグラスを渡すと、かがみこんでチュッと口づけた。

 ――唇に!

「翔一郎さん!?」
「今こそ、そのタイミングだろう?」

 いたずらっ子のようにウインクする二十八歳の男子。
 彼のうしろで白いワンピースの女性が顔をしかめているのが見えた。

 あーあ、ああいうタイプの女性がそう簡単に納得するとは思えない。
 面倒なことにならないといいけど……。
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