極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 わたしの父と男の子たちの父親は知り合いのようだった。その場には兄弟とその父親だけがいて、母親はいないみたい。

『おはようございます。花野宮(はなのみや)さんもサマーホリデーですか?』

 花野宮はわたしの旧姓だ。離婚した父の名字で、今は母の名字の光井を名乗っている。
 しばらくするうちに母もやってきて、大人たちは同じテーブルでおしゃべりすることにしたようだ。

 男の子たちの父親はわたしの頭を撫でて、息子たちに言った。

『ショウ、サキ、花野宮さんのお嬢さんと遊んでおいで。ショウ、おまえが責任者だ。危ないところには連れていかないように』
『わかりました』

 ショウと呼ばれた年上の子が表情を変えずに返事をした。かっこいい男の子だけど、愛想はよくないみたいだ。

 そのあと、ショウとサキの兄弟は、わたしをプールのそばのアイスクリームバーに連れていってくれた。

『おいしいね。わたし、ショウおにいちゃまとサキちゃんのアイスも食べてみたい』

 わたしはストロベリーアイスで、ショウはチョコミント、サキはバニラ。
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