極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
『そう。僕はマリカがとてもかわいいと思う。自由で素直で、ただの僕を信頼してくれるだろう?』
『ただの僕ってなぁに?』
『マリカは僕が誰かの血筋だとかどこかの跡継ぎだとか、そういうことは関係なく僕のことを好きでいてくれるよね?』

 それはそうだ。
 だって、わたしはショウがどこの誰だか知らない。名字すら気にしていなかった。
 頼りがいがあってかっこいい、ただの年上の男の子だ。

『うん。ショウおにいちゃま、大好きよ』
『僕もきみが大好きだ』

 そして、ショウは口をわたしの耳に近づけて、こそっとささやいた。

『いつかマリカにかっこいいところを見せるから、大人になったら結婚してほしい』
『ええ!? 結婚って大人がするものでしょ』
『うん、だから、大人になったら。マリカはきっともてるようになるから、今から予約しておかなくちゃ』

 なんと返事をしたのかは覚えていない。
 無邪気というよりお馬鹿な子供のどこをそんなに気に入ったのかわからないけれど、ショウはクルーズ中ずっとわたしのそばにいた。もちろんお兄ちゃん子だったサキも一緒だけど。
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