極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~

4.プールサイドバーのバーテンダー

 いつの間にか日は高くなっていた。

「もうそろそろお昼かしら」

 少し喉が渇いて、わたしはプールサイドのバーに寄った。バーの横にあるグリルやピッツェリアから、いい匂いが漂ってくる。
 でも、朝食のボリュームが多かったから、まだおなかは減っていない。お昼は食べなくてもよさそう。

 プールサイドバーは白を基調にしたおしゃれなたたずまいだった。細長いバーカウンターにスツールがいくつか並んでいる。
 両側の軽食に比べてそれほど人は多くなく、スーツを着た大柄な男性がコーヒーを飲んでいるのと、白人の女性が色鮮やかなカクテルを傾けているだけだ。

「ノンアルコールにしておこうかな……」

 わたしがメニューを眺めながら日本語でつぶやくと、

「迷ってるの? おすすめのカクテルを作ろうか?」

 日本語で返事が返ってきた。

「え?」

 びっくりして声のしたほうを見ると、カウンターの中でアジア系のバーテンダーが微笑んでいた。

「やあ。日本人だよね? こんにちは」
「あ、こんにちは」

 若い男の人だ。年齢はわたしと同じくらいかな?
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