極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~

5.ザッツ・エンターテインメント

 将生さんたちとはメインダイニングで別れ、わたしは船内のさらなる探検に乗り出した。
 もう今日の仕事は終わったようで、午後はずっと翔一郎さんが付き合ってくれるみたい。おしゃべりできる人がいると一人よりも楽しいのでありがたい。

「本当に大きな船ですよね。一つの街が海に浮かんでいるみたい」
「そうだな。もうだいぶ歩いたが、疲れてはいないか?」
「大丈夫です。お散歩しているだけでも楽しくて」
「それはよかった」

 翔一郎さんが優しい顔で微笑んだ。

 大西洋を見晴らす展望デッキは広々としていて気持ちよかった。
 いろんなタイプのレストランやカフェがあって、航海中の食事も飽きないと思う。
 エンターテインメントとしては、大きな劇場にアートギャラリーやライブラリーにカジノもある。
 日本籍船にあるような大浴場はないけれど、スパやエステは何種類か営業していた。

「あれは……チャペルだわ!」

 公園のようなプロムナードを歩いていくとブランドショップの並ぶ一角があり、その先に大きなステンドグラスのフレンチドアがある。
 そのドアの向こうがチャペルだった。
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