その狂女、ミイラ女と化す
Ⅳ
母親が医者に突然、話を切りだす。
「あの…この子の臓器を提供できませんか?」
はぁ?
呆気にとられる、わたし。
それって、母親に殺されてしまうってこと?
続くように、父親まで加勢してくる。
「たしか、本人の意志がなくても保護者の同意があれば…可能でしたね?」
医師は困った表情を作りながら、とぎれとぎれ、話していく。
「病院の立場としては…」
「まだ生きている娘さんの臓器を移植して…」
「他のかたに生かしたいのは事実ですが…」
「本当に、それでよろしいんですか?」
そして、あいつまで口をはさんできた。
「彼女はとても心優しい女性でした。きっと本人もそれを望んでると思います」
涙声で、そう訴えていく。
ここまでくるともう役者レベルだね。
つか、だいたいお前がなんで、そこにいる?
それ自体、わたしには信じれないことだった。
「あの…この子の臓器を提供できませんか?」
はぁ?
呆気にとられる、わたし。
それって、母親に殺されてしまうってこと?
続くように、父親まで加勢してくる。
「たしか、本人の意志がなくても保護者の同意があれば…可能でしたね?」
医師は困った表情を作りながら、とぎれとぎれ、話していく。
「病院の立場としては…」
「まだ生きている娘さんの臓器を移植して…」
「他のかたに生かしたいのは事実ですが…」
「本当に、それでよろしいんですか?」
そして、あいつまで口をはさんできた。
「彼女はとても心優しい女性でした。きっと本人もそれを望んでると思います」
涙声で、そう訴えていく。
ここまでくるともう役者レベルだね。
つか、だいたいお前がなんで、そこにいる?
それ自体、わたしには信じれないことだった。