その狂女、ミイラ女と化す
ただ、

前に似た経験済みの元カレだけはわたしの怖さを知っている。

病室を出るためにあわててドアに近づき逃げ出そうとしていた。

だけど、そのドアは開かない。

死神がドアに手を伸ばし小指で抑えてくれていたから。


医師はすぐに意識を失って、その場に倒れた。

「さあ、部外者はいなくなったわ」

わたしは、病室を見渡した。

なんかここって、あまりモノがないなぁ。

何がいいんだろ?

ベッド? 

テレビ? 

パイプ椅子もあるのか…


両親がいなくなったらきっと辛いよね、そのあと、生きていくの。

わたしは、弟のほうに目を向けた。
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