ダークグリーンに魅かれて
時間を忘れて
「飲み物はどうする?カフェインレスの紅茶かコーヒーがいいわよね」

「ですね。じゃ、カフェインレスの紅茶で。沙里は?」

「私も同じものを。ミルクも持ってきて。・・・あっっ、拓巳くん、ちょっと部屋を片付けてくる」

「そんなに急がなくていいぞ~ぉ!」

パタパタ、と階段を駆け上がる私に拓巳くんが声をかけた。

私は、置きっぱなしだった雑誌をマガジンラックに、出しっぱなしだった化粧水と乳液を定位置に戻した。ふぅ~、これで大丈夫かな?ちゃぶ台を中央に出し、クッションを並べて2つ置いた。OK~!

「拓巳くん、入ってオッケイ!私、ケーキと紅茶運ぶから、先入って座ってて」

「了解!」

トレイにショートケーキ2つと2つの紅茶のカップとミルクを置いて、2回に持っていく。

部屋に入ると、拓巳くんは立ったまま部屋を見回していた。

「座っててよかったのに」

「女きょうだいっていないから珍しくて。女の子らしい部屋だね」

私は、ピンクが好きなので、ピンクとクリーム色が基調となった部屋になっている。

「ありがとう」

私は、トレイからケーキと紅茶、ミルクをちゃぶ台に移す。

「結構、本読むんだね?」

「国文科に行くくらいだからね・・・昔から本の虫で・・・座って、ね?」

「ああ」

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