スイートスイーツスクランブル
今日のデザート
2階に上がって、私の隣の部屋を覗いてみるとすでに那須くんの荷物が届いていた。ホントに一緒に住むんだ、と思うとドキドキした。那須くん・・・私のドストライクの好みなんだけどな。彼女、いるのかぁ。横取りするのは私のスタイルじゃない。・・・できるとも思ってないけど、だらかが傷つく恋は嫌だ。

自分の部屋に入って、今日のパンケーキの写真を見る。おいしかったなぁ。また食べたい。けど、他のケーキも食べたいし、悩ましいところだ。

今日は、店に咲田美由紀さんは来るだろうか。美由紀さんは父が片思いしている常連さんだ。数年前にご主人を亡くしたらしい。

私は、オー・ド・シエルのウェイトレスの1人として働いている。そろそろ、下に行こうかな。下に降りると、那須くんがデザートの前にいた。

「今日のデザートはなぁに?」

「ベイクドチーズケーキとクレームブリュレのバニラアイス添え」

「デザート、試食してもいい?」

「未来ちゃんは特別にね。アイスはつかないけど」

アイスは北海道からの直送品だ。一流の客もうなるおいしさだ。いつもは、「アイスがデザートでは一番おいしかった」と言われてしまっていたが、今日からはきっと・・・。

「ブリュレの仕上げさせてな」

と言うと、那須くんはばーなーでブリュレの表面をあぶった。

「出来た。食べてみて。まずはチーズケーキから」

クッキー生地、クリームチーズ生地、表面にさわーくりーう生地の乗った、スタンダードなチーズケーキだ。

「この上に、ベリーのソースをかける。こんな風に」

那須くんが、鮮やかな手つきでベリーソースでデコレーションする。

「きれい」

思わず言っていた。
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