スイートスイーツスクランブル
父さんには失礼だけど、比べ物にならないのが分かる。ケーキにフォークを入れる。ふわ、さくっ!イイ感じだ。ひとくち、口の中に入れてみる。クッキー生地のサクサク感、クリームチーズ生地の滑らかで濃厚かつ、甘すぎないおいしさにサワークリームの爽やかな酸味、そして、かかっているベリーソースの甘酸っぱさが、何とも言えない素敵なハーモニーをかもしだしている。もしかして、私史上、最高のチーズケーキかも。

「すごい!!すごいおいしいよ、那須くん」

「どうおいしいんだ?」

と聞かれたので、感じたままを伝えた。満足顔の那須くん。

「次はクレームブリュレだ。食べてみてくれ」

スプーンを入れるとパリッ、と小気味よい音。口に入れると・・・。

「すごくおいしい!パリッ!って音もちょうどいい感じだし、焦げた砂糖の味と甘さ控えめなカスタードの舌触りのよさが最高!こんなのをコースの最後に食べられたら幸せな気分になると思うよ」

「あのさ・・・」

「何?」

「未来ちゃん、僕の専属味見係になってくれないかな。自信がないわけじゃないんだけど、必ずしもお客様から感想が貰えるわけじゃないし。未来ちゃんの味覚表現、生き生きしていてモチベーションに繋がるんだ。どうかな?評価によっては作り直すから、学校から直帰してほしいんだけど」

なぎさとのスイーツめぐりができなくなる・・・そっか。

「了解。だけど、もうひとり、味見役に任命してほしいコがいるの。私と同じくらいスイーツ好きで、スイーツの味には厳しいコ」

那須くんは、一瞬考えるようなしぐさを見せたが、すぐに言った。

「分かった。とりあえず、明日、そのコも連れてきて。スイーツ好き2人からの意見は貴重だ」

これは・・・明日一番になぎさに報告しなきゃだわ。
< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop