そんなの関係ないよ!
3人が席を離れてから、私は亨兄に尋ねた。

「よかったの?きっと、学校中に亨兄がロリコンだって噂、あいつら流すよ」

亨兄は、私の手を再び優しく握って言った。

「僕らの年齢差は・・・どう頑張ったって縮まんないからね。僕は、小さい女の子が好きなんじゃなく、亜里沙が好きなんだよ。でも、世間的に見たら、ロリコン、に見えちゃうのは仕方ない。噂になったって、聞き流すよ。大丈夫、亜里沙は心配しないで、な?冷めちゃうから、食べよ!」

亨兄は、ホントにそれでいいの?

フィッシュバーガーを食べながら、亨兄の真意をはかりかねていた。私は、だらが何と言おうと、亨兄が好き!亨兄と一緒にいたい!けど、亨兄に変なレッテル張られちゃったらどうしよう?

「大、丈、夫!!俺は、亜里沙が思っているより数倍強いよ」

安心させるように亨兄は言った。

「そうそう、パパとママが、おじさんとおばさんと一緒に亨兄の合格祝いしたいって」

「へぇ・・・嬉しいな。いつがいいだろう?」

「おじさんたちの予定聞いといて。たぶん、うちはいつでも大丈夫。週末がいいかな?」

「だな。焼肉でも食いに行くか?」

「主役がそうおっしゃるなら、おおせのままに」

ちょっと茶目っ気を出して、うやうやしく礼をした

「くすくす。亜里沙、演劇の才能あるんじゃない?まさに、ひとりの従者、って感じだったよ」

「えへへ。これでも、生活発表会では、割といい役もらってるんだよ」

去年は、人魚姫、おととしはスイミーの主役をもらっていた。今年は・・・どうなるかな。生活発表会は、もうすぐだ。

「じゃ、今週末か来週末に、って感じで、聞いておくよ。一応、亜里沙もお父さんお母さんに聞いておいて」

「ラジャー、です」

私の気持ちもだいぶマシになってきた。あんまり心配しすぎるのはやめよう。

「このあと、どうする?本屋にでも寄る?」

「うん、この間読んだ少女恋愛小説の続編を買おうか、迷ってるんだ」

「少女恋愛小説か。乙女だねぇ、亜里沙も」

「女の子は、みんな乙女だよ」

そこのところ、分かってるのかな、亨兄は。
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