そんなの関係ないよ!
書店を出て、また、恋人つなぎで歩く。

「あれ?岸川くん?」

また、同級生かな?今度はポニーテールの女の子だ。

「あぁ、岡田。どこかでかけてたのか?」

莉子(りこ)を振ったのって、その子のせい?」

鋭い視線を私に向ける岡田さん。

「確かに亜里沙は、大切な僕の彼女だけど」

亨兄がはっきりと言った。

「なにか問題でも?」

明らかに怒っている岡田さん。でも、何も言わない。

「学年イチ可愛いとか、人気あるとか、興味ないから」

「・・・」

「でも、思い切って気持ちぶつけてくれたのは、うれしかった」

「だったら、一回くらいデートしてあげてもいいんじゃないの?」

詰め寄るよう岡田さんが言う。

「それはできないよ。こいつのこと」

私の肩を引き寄せて、亨兄は強く言った。

「裏切ることは絶対にしない」

亨兄・・・ありがとう。

「あっ、そうですかっ。莉子には新しい恋、探したほうがいいよ、って伝えるわ」

肩をすくめて岡田さんは去って行った。

「亨兄、うれしかったよ」

チュッ、と亨兄の右頬にキスをした。これくらいはいいよね?

「あっりさぁ~!こんなところでっ」

真っ赤になった亨兄。たまには主導権、私に渡してよ。。。なんて、ね!
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