そんなの関係ないよ!
結局、土曜の今日は朋美と優香に亨兄を紹介することになって、そのあと鎌倉の話をすることにした。夜は岸川家・山田家の亨兄合格記念パーティだし、イベント盛りだくさんだ。

2人との待ち合わせは、駅前のDATOR COFFEEに10時だ。9時40分に亨兄が私を迎えに来た。

「なんだか、緊張するなぁ。朋美ちゃんに優香ちゃんだっけ?」

「大丈夫だよ、亨兄が気に入られないはずない・・・反対に、2人が亨兄に夢中になっちゃったらどうしよう?」

私は、不安になってくる。こんなに背が高くてカッコいい亨兄に2人が惹かれない保証はない。

「大丈夫、何があっても僕は亜里沙に一途だから」

亨兄が私を見つめて、つないだ手をギュッとする。私、ホントに亨兄に惚れてるんだなぁ。それだけでドキドキする。

手をつないで2人でDATOR COFFEEに歩いて行くと、ちょうどそちらに向かっている2人に偶然会った。

「おはよ~、亜里沙。その人が噂のカレ?」

朋美が目ざとく言う。おはようございます、と控えめに優香が声をかけてくる。

「2人とも、おはよう!うん、この人が私の彼氏の亨兄。亨兄、、ポニーテールの子が朋美で、そっちのボブスタイルの子が優香」

「朋美ちゃん、優香ちゃん、よろしくね!」

「・・・っっ、よろしくお願いします!!」

2人の顔が紅潮しているように見えたのは気のせいだろうか。
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