離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
「ごちそうさまでした!さて、私行きますね。失礼します」
凛音は弁当箱を小さなトートバックに放り込むと医師二人を残しそそくさと席を立った。
定時で帰宅した凛音はアパートに帰宅すると手早く夕食の仕度をする。野菜炒めとみそ汁、冷奴にコールスローサラダという簡単なものだ。
凛音は弟の米田遼介と東京の多摩地区のアパートで二人暮らしをしている。
元々米田家は九王総合病院の近くに住んでいたのだが、4年前に現在の家賃の安い地区に引っ越していた。不便ではあるが、住みたい街ランキングの上位に常に入ってくる街で暮らせる余裕があるはずも無かった。
通勤時間はかかるがお金はかからない。それが重要だった。
ふたりの母は凛音が高校2年の時にがんで亡くなった。当時2つ年下の遼介はまだ中学生だった。
不調に気づき九王総合病院を訪れた母の主治医になったのが福原医師だった。
祖父母も既に他界していたので、入院してから偶然母と福原がはとこだったこと知り、世間は狭いとお互いに驚いたのをよく覚えている。
ガンは不幸にも性質が悪い進行性のもので、発見されたときはもう手遅れだった。
凛音は弁当箱を小さなトートバックに放り込むと医師二人を残しそそくさと席を立った。
定時で帰宅した凛音はアパートに帰宅すると手早く夕食の仕度をする。野菜炒めとみそ汁、冷奴にコールスローサラダという簡単なものだ。
凛音は弟の米田遼介と東京の多摩地区のアパートで二人暮らしをしている。
元々米田家は九王総合病院の近くに住んでいたのだが、4年前に現在の家賃の安い地区に引っ越していた。不便ではあるが、住みたい街ランキングの上位に常に入ってくる街で暮らせる余裕があるはずも無かった。
通勤時間はかかるがお金はかからない。それが重要だった。
ふたりの母は凛音が高校2年の時にがんで亡くなった。当時2つ年下の遼介はまだ中学生だった。
不調に気づき九王総合病院を訪れた母の主治医になったのが福原医師だった。
祖父母も既に他界していたので、入院してから偶然母と福原がはとこだったこと知り、世間は狭いとお互いに驚いたのをよく覚えている。
ガンは不幸にも性質が悪い進行性のもので、発見されたときはもう手遅れだった。