離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
色々と複雑な感情を持ってしまう相手なのだが、こうして電話が直接掛かって来るのは初めてだった。
『姉さんはこういう天気の時に情緒不安定になりやすいんです。心配でさっきスマホに電話したけど出なくて、普通なら向こうから俺に掛かって来るんですけど……』
遼介は父親が亡くなった時の状況や、彼女が今も自分を責めている事、それでも気丈に振舞い続けている事を暁斗に話してくれた。
『なぜそれを俺に教えてくれたんだ?君は俺を嫌っているだろう?』
『最初は剣持先生の事、信用していませんでした。姉さんを利用してるんじゃないかって……でも、この前会った時、わざとらしく俺に見せつけているのはわかってましたけど、先生の姉さんを見る目は優しいと思ったんです。今、先生は姉さんを大事にしてくれているって思っています……剣持先生、姉さんは父さんの為、俺の為に人生を犠牲にしてきたんです。俺が言える義理じゃないですけど、幸せにしてやってください』
お願いしますと言って義弟は電話を切った。
彼はこの結婚の不自然さも、暁斗が凛音に向ける想いの変化も正しく感じ取ったらしい。
さすがシスコンだなと苦笑した。
電話を切った後、暁斗が改めてスマートフォンを確認すると寝ている間に凛音から着信が何回も入っていた。
『姉さんはこういう天気の時に情緒不安定になりやすいんです。心配でさっきスマホに電話したけど出なくて、普通なら向こうから俺に掛かって来るんですけど……』
遼介は父親が亡くなった時の状況や、彼女が今も自分を責めている事、それでも気丈に振舞い続けている事を暁斗に話してくれた。
『なぜそれを俺に教えてくれたんだ?君は俺を嫌っているだろう?』
『最初は剣持先生の事、信用していませんでした。姉さんを利用してるんじゃないかって……でも、この前会った時、わざとらしく俺に見せつけているのはわかってましたけど、先生の姉さんを見る目は優しいと思ったんです。今、先生は姉さんを大事にしてくれているって思っています……剣持先生、姉さんは父さんの為、俺の為に人生を犠牲にしてきたんです。俺が言える義理じゃないですけど、幸せにしてやってください』
お願いしますと言って義弟は電話を切った。
彼はこの結婚の不自然さも、暁斗が凛音に向ける想いの変化も正しく感じ取ったらしい。
さすがシスコンだなと苦笑した。
電話を切った後、暁斗が改めてスマートフォンを確認すると寝ている間に凛音から着信が何回も入っていた。