離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
父は貯金と借金で学費をどうにかするつもりだったらしい。
恐らく学費を工面するためにパンの販売拡大に熱心に取り組んでいたのだろう。
しかし、父が亡くなり、遺してくれた貯金と生命保険で何とかしなければならなくなった。
凛音は大学を辞め働くことにした。今後の事を考えると自分のためにあと1年半の学費を払うより、弟の為に使いたかったのだ。
姉想いの弟は『姉さんが辞める位なら俺が辞めて働く』と反対したが、凛音は『大学を辞めるのは自分自身が勉強に身が入らなくなったからだし、洋一郎先生が病院で事務の仕事を紹介してくれたの。大卒じゃないけど、大卒相当の待遇に出来るよう交渉してみてくれるって。資格も取れそうだし、手堅い仕事をしてた方が将来自分の為になると思わない?』と説得した。
さらに遼介の学費は父が遺してくれた貯えがあるから大丈夫と言って納得させた。
実際、九王総合病院では大卒相当の好条件で雇用してもらうことができた。
弟は未だに姉が大学を辞めたのは自分のせいだと思っているようだが、凛音は後悔していない。
遼介が立派な医者になるのを見届けるのが自分の生きがいなのだ。きっと父も同じだっただろう。
恐らく学費を工面するためにパンの販売拡大に熱心に取り組んでいたのだろう。
しかし、父が亡くなり、遺してくれた貯金と生命保険で何とかしなければならなくなった。
凛音は大学を辞め働くことにした。今後の事を考えると自分のためにあと1年半の学費を払うより、弟の為に使いたかったのだ。
姉想いの弟は『姉さんが辞める位なら俺が辞めて働く』と反対したが、凛音は『大学を辞めるのは自分自身が勉強に身が入らなくなったからだし、洋一郎先生が病院で事務の仕事を紹介してくれたの。大卒じゃないけど、大卒相当の待遇に出来るよう交渉してみてくれるって。資格も取れそうだし、手堅い仕事をしてた方が将来自分の為になると思わない?』と説得した。
さらに遼介の学費は父が遺してくれた貯えがあるから大丈夫と言って納得させた。
実際、九王総合病院では大卒相当の好条件で雇用してもらうことができた。
弟は未だに姉が大学を辞めたのは自分のせいだと思っているようだが、凛音は後悔していない。
遼介が立派な医者になるのを見届けるのが自分の生きがいなのだ。きっと父も同じだっただろう。