離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
そうで無ければ、美咲が日本に帰って来た時点で凛音は離婚を切り出されていただろう。
暁斗も美咲と結婚したいが、助けるためとはいえ半年近く共に暮らして来た『妻』に情が湧き、切り捨てることを躊躇している。もしくは凛音を傷つけないように言い出すタイミングを計っている。
(やっぱり暁斗さんは優しいなあ……未だにこうして私の事を気遣ってくれるし)
その優しさに答える為にどうしたら良いか。
(暁斗さんと寒川先生が幸せになれるように、私は身を引かきゃいけない)
――自分は半年間だけでも愛する人の妻として暮らすことが出来て、幸せだったのだから。
そう決めたものの、凛音はどうしても切り出す勇気が持てないでいた。
職場では大丈夫だが、家に帰ると涙が出そうになってしまう。
暁斗には見られていないが、多分暗い顔をしてしまっている。いくら何でも感情的になり過ぎだと自分でも呆れてしまう。相変わらず食欲も無い。
そんな凛音の異変を夫が見逃すはずは無く、毎朝仕事を休んでゆっくりするように言ってくる。
凛音としては家にいるより仕事をしていた方が気が紛れて調子がいいので、どうしても話が平行線になってしまう。
何とか暁斗をなだめ、凛音は今日も出勤した。
暁斗も美咲と結婚したいが、助けるためとはいえ半年近く共に暮らして来た『妻』に情が湧き、切り捨てることを躊躇している。もしくは凛音を傷つけないように言い出すタイミングを計っている。
(やっぱり暁斗さんは優しいなあ……未だにこうして私の事を気遣ってくれるし)
その優しさに答える為にどうしたら良いか。
(暁斗さんと寒川先生が幸せになれるように、私は身を引かきゃいけない)
――自分は半年間だけでも愛する人の妻として暮らすことが出来て、幸せだったのだから。
そう決めたものの、凛音はどうしても切り出す勇気が持てないでいた。
職場では大丈夫だが、家に帰ると涙が出そうになってしまう。
暁斗には見られていないが、多分暗い顔をしてしまっている。いくら何でも感情的になり過ぎだと自分でも呆れてしまう。相変わらず食欲も無い。
そんな凛音の異変を夫が見逃すはずは無く、毎朝仕事を休んでゆっくりするように言ってくる。
凛音としては家にいるより仕事をしていた方が気が紛れて調子がいいので、どうしても話が平行線になってしまう。
何とか暁斗をなだめ、凛音は今日も出勤した。