離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
ガチャリと玄関で鍵を開ける音がする。弟が帰って来たらしい。
凛音は慌てて立ち上がると預金通帳をチェストの引き出しにしまい避難させ、笑顔で出迎える。
「――お帰り遼介、早かったのね」
「ただいま姉さん。今日は午後のカンファレンスが無かったから早く帰れたんだ」
遼介は現在23歳で医学部の5年生。ポリクリと呼ばれる臨床実習が始まり大学病院で各科を回る忙しい日々だ。
科によって実習の時間がまちまちだったり、実習後もカンファレンスに出たりと時間が不規則になったので4年生までしていた塾講師のアルバイトも出来ない状況だ。
6年生になれば国家試験の為の勉強も本格的に始まる。今日もこの後、明日の実習に備えて準備をするのだろう。
洗面所に向かう姿に我が弟ながら立派に育ったなと凛音は思いながら、二人分のご飯とみそ汁をよそってテーブルに置く。
(子供の頃は恥ずかしがり屋で泣き虫で、いつも私の後ろに隠れるような子だったのになぁ)
スラリとした長身で、優し気な顔立ち、母に似ているので、目元の雰囲気は凛音にも似ているが、誰が見ても爽やかイケメンと思うような外見に育った。
それに何より努力家で、大学での成績も優秀だ。
凛音は慌てて立ち上がると預金通帳をチェストの引き出しにしまい避難させ、笑顔で出迎える。
「――お帰り遼介、早かったのね」
「ただいま姉さん。今日は午後のカンファレンスが無かったから早く帰れたんだ」
遼介は現在23歳で医学部の5年生。ポリクリと呼ばれる臨床実習が始まり大学病院で各科を回る忙しい日々だ。
科によって実習の時間がまちまちだったり、実習後もカンファレンスに出たりと時間が不規則になったので4年生までしていた塾講師のアルバイトも出来ない状況だ。
6年生になれば国家試験の為の勉強も本格的に始まる。今日もこの後、明日の実習に備えて準備をするのだろう。
洗面所に向かう姿に我が弟ながら立派に育ったなと凛音は思いながら、二人分のご飯とみそ汁をよそってテーブルに置く。
(子供の頃は恥ずかしがり屋で泣き虫で、いつも私の後ろに隠れるような子だったのになぁ)
スラリとした長身で、優し気な顔立ち、母に似ているので、目元の雰囲気は凛音にも似ているが、誰が見ても爽やかイケメンと思うような外見に育った。
それに何より努力家で、大学での成績も優秀だ。