離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
凛音は頷き、ベッドの上から降りようと体重を移動する。
「はい、大丈夫です……あの本当に大丈夫ですからっ」
当然のように抱き上げようとする暁斗を凛音は慌てて制止する。
「また、倒れたら大変だろう?」
「抱き上げられなくてもちゃんと行けますから。人に見られたら恥ずかしいじゃないですか」
「でも、さっきは俺が抱き上げて運んだぞ」
不満そうに暁斗が言うと美咲が続ける。
「そうそう。きっと明日には病院中に知れ渡ってると思うわ。立ち眩みで倒れた奥さんを剣持先生がナイトのようにお姫様だっこで颯爽と運んで行ったって。――こういう話、みんな好きだからねぇ」
「うわぁ……」
倒れた時にはあの水上がいてしっかり目撃されている。無くもないなと思ってしまった。
結局凛音は普通に自分の足で産婦人科の外来に向かう。
時刻はもう夕方で、人気の無い廊下を暁斗と並んで歩きながら凛音は切り出したす。
「暁斗さん、寒川先生に色々聞きました。思いっきり誤解してすみません」
「はい、大丈夫です……あの本当に大丈夫ですからっ」
当然のように抱き上げようとする暁斗を凛音は慌てて制止する。
「また、倒れたら大変だろう?」
「抱き上げられなくてもちゃんと行けますから。人に見られたら恥ずかしいじゃないですか」
「でも、さっきは俺が抱き上げて運んだぞ」
不満そうに暁斗が言うと美咲が続ける。
「そうそう。きっと明日には病院中に知れ渡ってると思うわ。立ち眩みで倒れた奥さんを剣持先生がナイトのようにお姫様だっこで颯爽と運んで行ったって。――こういう話、みんな好きだからねぇ」
「うわぁ……」
倒れた時にはあの水上がいてしっかり目撃されている。無くもないなと思ってしまった。
結局凛音は普通に自分の足で産婦人科の外来に向かう。
時刻はもう夕方で、人気の無い廊下を暁斗と並んで歩きながら凛音は切り出したす。
「暁斗さん、寒川先生に色々聞きました。思いっきり誤解してすみません」