離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
今はこのエリアに入院患者はほとんどいないはずだったが、彼は一番奥まった部屋に入ったようだ。
回診の時間じゃ無いよねと、あまり深く考えずに凛音は暁斗が入った部屋の前にたどり着いた。スライド式のドアが少し開いているので病室内がをうかがう事が出来た。
部屋はシンプルながら応接室のような上質な調度品で揃えられていて、あまり病室といった感じがしない。
中には患者はおらず、代わりに若い女性看護師がいた。
(……あれ?)
ただならない雰囲気を感じ取り、凛音は中に入れずドアの前で固まってしまう。
「剣持先生……わかってると思いますけど、私、剣持先生の事、ずっと好きだったんです」
看護師の声が聞こえて来た。彼女は確か、水上という病棟勤務のナースだ。
凛音と変わらない位の年齢で、派手な雰囲気の美人でメイクも濃く、スタイルもいい。
ただ、博美に言わせると『病院に何しに来てるんだか』という感じで、浮ついた所が多く、あまり勤務態度は良くないらしい。
「あいにく俺には結婚を約束している女性がいる。君の気持ちには答えられない」
感情を感じさせない落ち着いた声が聞こえてくる――暁斗だ。
(やっぱり、噂通り剣持先生は婚約者がいるんだ……って、ちょっと待って。これ私盗み聞きしちゃってない?)
回診の時間じゃ無いよねと、あまり深く考えずに凛音は暁斗が入った部屋の前にたどり着いた。スライド式のドアが少し開いているので病室内がをうかがう事が出来た。
部屋はシンプルながら応接室のような上質な調度品で揃えられていて、あまり病室といった感じがしない。
中には患者はおらず、代わりに若い女性看護師がいた。
(……あれ?)
ただならない雰囲気を感じ取り、凛音は中に入れずドアの前で固まってしまう。
「剣持先生……わかってると思いますけど、私、剣持先生の事、ずっと好きだったんです」
看護師の声が聞こえて来た。彼女は確か、水上という病棟勤務のナースだ。
凛音と変わらない位の年齢で、派手な雰囲気の美人でメイクも濃く、スタイルもいい。
ただ、博美に言わせると『病院に何しに来てるんだか』という感じで、浮ついた所が多く、あまり勤務態度は良くないらしい。
「あいにく俺には結婚を約束している女性がいる。君の気持ちには答えられない」
感情を感じさせない落ち着いた声が聞こえてくる――暁斗だ。
(やっぱり、噂通り剣持先生は婚約者がいるんだ……って、ちょっと待って。これ私盗み聞きしちゃってない?)