離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
「……はい、それは、大丈夫です」
「なら、良いんだけど。困ったら僕に相談するんだよ?なんか凛音ちゃんは一人で抱えた結果、突拍子も無いことをしでかしちゃいそうで僕は心配。お金に困っても、夜の仕事とかしちゃ絶対ダメだからね」
「夜の仕事……」

(そうか、手っ取り早く稼ぐためには、夜にそういう仕事をするっていう方法もあるんだよね……)
 
 その手があったかと、さらに考え込んでしまった凛音に福原は訝し気な顔になる。

「凛音ちゃん?」
「え?――あはは、まさか。そもそもこんな地味な私がそんな華やかな場に出ても需要が無いですから」
 
 凛音は笑って誤魔化そうとする。

「何言ってるんだ。凛音ちゃんはお母さんに似て可愛いんだから。それに、天国のご両親を心配させるような事はしちゃいけないよ」
「……はい」
 
 優しい福原は気をつかって可愛いなどと言ってくれているが、凛音は自分の容姿が特に優れているとは思っていない。
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