離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
「俺は別に気にしていなかったが、君が最近色々と服や化粧を変えようとしていたろう?だったらと思って、女物の服に詳しい同期の奴に聞いたんだ。凛音位の年頃の女性に似合う店ってどこかって。そしたらここなら間違いないって言われた」
「そうだったんですね……」

 自分なりに服装を変えようとしていた事を気付いていたらしい……そして、たいして成果が上がっていなかったことも。凛音は何とも複雑な気持ちになる。

 でも、忙しい中、店の情報を仕入れたり、お店に事前に連絡したりと、忙しい彼が自分の為に時間使ってくれていたことに胸が高鳴る。彼の妻として足りない所を補うために必要な事だとしても嬉しい。

「女を着飾らせて喜ぶ趣味は無かったが、案外悪く無くかったな。それにやっぱりプロが選んだものは間違いが無い」

 着替えた凛音の全身を見て暁斗は言う。

「確かに間違いなかったですけど……」

 今日購入した品は物が良いだけに着心地も良かったし、可愛らしいけど大人っぽさもあるデザインで、凛音の乏しいオシャレ力というか、女性として服を楽しむ気持ちがムクムクと刺激された。
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