クローバー


「言ってませんけど!?そんな事!!」


「問答無用!!」


ドスンッ!ドスンッ!


待て待て待て!話を聞け!!


私とその女初対面!!


何を言っても男は耳を傾けず、ものすごい速さで追いかける来る。


なにあの大男、体でかいくせに速っっっ!!


私も勢いよく走り出す。


あの女やってくれたな!!今度あったら本当に骨と皮だけにして、あの男の前に突き出してやる!!


男は足が速いだけじゃなく、体力もありしばらく私と男の鬼ごっこは続いた。


思ったよりしつこいな。これじゃあ拉致があかない。思わず舌打ちが漏れる。


どこか教室に身を潜めるにしても距離が近く撒こうにもまけない。


どうすっかなー


チラリと窓の方を見る。


そうか、中がダメなら…


後ろを振り返り郷田さんにお礼を述べた。


「いいトレーニングになったよ、ありがとう。」


返事も聞かず、空いてる窓から勢いよく飛び降りた。


「まてゴラァオンナぁぁぁぁぁ!!!」


2階から郷田さんの叫び声が聞こえたが、あれに追いつかれちゃ溜まったもんじゃないと無視して逃げた。











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