クローバー
「ブハッ、アハハハハッ!アハハハッ!」
後ろから当然笑い声が聞こえてきて、勢いよく振り返る。
「何がおかしい。」
むっすとした顔で、フード男お睨む。
「いや、わりぃ、わりぃ。お前らの会話が面白くてついな。にしてもお前良い蹴りしてんのな。この俺が誰かの蹴りで床にケツをつけんのなんて初めてだ。」
フード男は服についた埃を払いながら、まるで何事もなっかたかのように立ち上がる。
フードをかっぶているせいではっきりとは見えないものの、フードの隙間から見える青い瞳は笑っていない。
「お前がこいつらの売人か?」
「だったら?」
「ここでしょっぴくまで。」
「ふっ、流石ーーーーのNo1。威勢だけはいっちょ前だな。」
パチパチと拍手をしながらフード男は馬鹿にしたような口調で私に言う。
「お前…どこでその名前を…。」ドクリドクリと心臓の音が速くなる。
「おっ、動揺してんな?その顔たまんねー」
「黙れ変態。いいから答えろ。」
話ながらも一歩一歩近づいて来ていたフード男の足が私の前でピタリと止まる。きれいな青い瞳と混じりあったと思うと、一瞬にしてフード男の腕の中にいた。
「そお焦んなって。これからよろしくする仲なんだし。」