クローバー

体育祭「迫る火の手」





「お、まえ…」



ドッッッッッカン!!!!!!!!!!!!



校舎内に凄まじい爆発音が響いた。



「な、なに?!!」



松坂がギャーギャー騒ぎだす。



「始まったか。」



フード男がそれはそれは楽しそうに笑った。



「お前一体何をしたッッ!!」



フード男は両手を広げ愉快そうに



「四宮文乃いや、クロ。あの方からお前へのプレゼントだ。」



"せいぜい地獄を楽しんで"



そういうやいなや、二階の窓から飛び降りた



「おい!待て!!!」



逃がすかよ!!


すぐに追いかけようと窓から飛び降りようとした時…



ガシッ!



「うおっ!」



強い力で服を引っ張られ教室に戻された。



「いやだぁ!じにたくない!怖いよぉ!」


いやお前の方がよっぽど怖いよ。


ゾンビかよ。


それはそれは強い力で私の腰に巻きついている松坂。私の体操服、松坂の涙でびっちょびっちょだよ。


「ちょ、分かった。分かったから。一旦離して!!」


力強!!!


本日2回目の窒息死案件。


なんとかして松坂を腰から引き剥がす。



「松坂落ち着け!!!」



「いやだァ!じにたくないよぉ!!うぉいてかないでぇえ!!!」


「大丈夫、大丈夫だから。置いてかないし、死なせない。」


背中をポンポンと叩いて落ち着かせる


「ヒック、ほ、ほんとに?」


嗚咽まじり言う松坂。


「あぁ、ほんとに。だから落ち着け。泣いてばっかじゃ助かるものも助からない。私の言う通りにできる?」


松坂ら涙を拭いながらコクコクと頷く。


「よしっ、いい子。」



よしよしと松坂の頭を撫でてやった。
















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