クローバー
カレーライス
転校してから1週間。
岡山の尻尾はまるで掴めて居ない。
まぁ。その理由の1つとして悠斗さんがずっと私に話かけてきて、昼休み必ず消える岡山達を見失ってしまってしまうことにある。
あの人まじなんなの?
流石の私もこうも任務が進まないとイライラしてしまう。
ため息を着きながら帰路に着く。あの兄弟達が一緒の家に住むようになって変わった事は特にない。
4人とも、ほぼ家にいないので前と変わらず私1人があの家を使ってる状態だ。
この不良高校生が。
私的には関わらなくてすむからいいけど。
「ただいまー。」
家には誰も居ないため、もちろん返ってくるはずもなく、私の声だけが響く。
リビングに向かい、夕飯を作ろうと考えていた時
ソファの方からうなされてる声が聞こえた。
近づくと、そこには瑠衣さんが寝ていた。
辛い夢を見ているせいか、すごい汗だ。
.......私には関係ない。
無視、するべきだ。
ここで触れてしまったら、何か変わってしまう気がする。
そう思い夕飯を作ろうと立ち上がった。
足がソファの前から動かない。
私は、弱いな。
瑠衣さんの姿が私に重なって.......
まるで私を見ているようで.......
思わず、手を伸ばして瑠衣さんを起こしていた。これは、後で夢見が悪くならないためにしてるだけ。自分のためだ。
そう自分に無理やり言い聞かせた。
「うっ。や.......めて。やめ.......て.......よ。」
「瑠衣さん!起きてください!」
瑠衣さんは、うなされながら泣いている。
私は必死になって瑠衣さんを揺する。
「っ!瑠衣さん!起きて!!起きろ!!」
「いや.......だ。母さん!!!」
ガバッ!!
瑠衣さんは方で息をしながら、ガタガタと震えている。
「瑠衣さん。大丈夫。大丈夫です。
ここには貴方を苦しめる人はいませんよ」
だから安心して。
そう言うかのように、優しく、優しく
瑠衣さんの頭を撫でた。
「お、おれ、俺。泣いて.......
ごめん。かっこ悪いとこ見せて。」
瑠衣さんは私に泣き顔を見られた事が嫌だっんだろう。顔を下に向けて、か細い声で呟いた。
「瑠衣さん。顔をあげてください。」
瑠衣さんは顔をあげようとしない。
私は両頬を包み無理やり顔を上げさせる。
瑠衣さんは驚いた顔をし、赤く腫れた目をパチパチとさせていた。それが少し可愛かったことは内緒だ。
「瑠衣さん。泣く事は決して弱いことでも、恥ずかしい事でもないんですよ。だから瑠衣さんはなんにも気にする必要ありません。ただ胸張って堂々と自分の気持ち吐き出したらいいんですよ。ね?」
そう泣くことは決して恥ずかしいことじゃない。あいつが私に教えてくれた事。
「ぶっ。アハハハハ!!!!
文乃って面白いね。そっか。堂々泣いて
いいのか。ふふふ。文乃ありがとう!」
瑠衣さんはスッキリしたような顔つきをしていた。
瑠衣さんってこんなふうに笑うんだ。
普段寝てる事が多くて笑った姿を見た事がなかったから少し驚いたな。
うん。そっちの顔の方がいいな。
私もニコッと瑠衣さんに笑って見せた。