クローバー
文の過去side



『なぁー、文。お前はどうしてそんなに我慢するだ?』


目尻のホクロが特徴的な少年が、唇をかみ締めて、両手に拳をつくり、ただ、ただ、強く握って、立っている少女に尋ねる。


『.......弱いことだから。泣く事は弱い奴のすることだから。』


ビクッ


頭にゴツゴツとした大きな手が乗る


『ばーか。泣く事は弱いことじゃねーよ
ガキはガキらしく素直に気持ち吐き出しときゃいいんだよ。』


ガキって.......2歳しか変わらないじゃないか


私の背中に頭にあった手が回る。
ポン。ポン。と心地よリズムでたたく。


温かいな。


気づいたら目からかってに涙がでてた。


泣き方なんて分からない。ただ、ただ、涙が落ちていくのが分かった。


『ククク。お前は泣くのが下手くそだな』


『うるさい!!!』


恥ずかしくって、こそばゆくって、でも妙に安心できる。


ふふふ。ねぇー。


やっぱり君は私のヒーローなんだね。







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